起きているとき、寝ているときなどにいきなり襲いかかる足がつるという症状。
決して珍しい症状ではなく、おそらく誰もが一度は経験したことがあるのでしょうか?
足がつると痛みやなんとも言えない不快感が一気にきて、とても嫌な気持ちになりますよね。
健康な状態であれば滅多に起こることはありませんが、なぜか毎日のように症状が出るという場合は、もしかすると重大な病気が隠れているかもしれません。
早めに体の異変に気付いて適切な治療を受けることが重要なので、見過ごさないで確認したいですね。
そこで今回は足がよくつるのはどのような病気が隠されているのか、原因や治療方法などをご紹介していきます。
足がつる症状が出る4つの病気と治療法
ふくらはぎが痙攣を起こすのは特に体調不良以外でも出るものですが、中には体に異変が起きている兆候として現れることもあります。
だいたいのこむら返りは生活習慣を改善すると、消えてくるものです。
しかし悪いものはなかなか治らず、定期的に起こるという特徴があります。
細かいことでも早めに自身で気づければ、すぐに治療することができますよね。
そこで原因となっている4つの病気と治療方法を、それぞれ詳しくみていきましょう。
下肢静脈瘤ができて足がつる
つりやすくなるという症状は、下肢静脈瘤ができている人に良く見られます。
下肢静脈瘤は本当ならば心臓に行くはずの血液が逆流して、ふくらはぎの方で溜まってしまう疾患です。
血管がボコッと膨らんでいるので、見た目でもすぐ気づけるのが特徴になっています。
血液循環が悪くなることでこむら返りを起こし、夜も安心して眠れないという人も多いのです。
治療法は血管にできた瘤を取るレーザーや高周波が一般的で、下肢静脈瘤が改善するとあっという間に足がつらなくなります。
糖尿病の兆候として足がつる
あまり知られていませんが、糖尿病のチェックリストの項目中にも入っているのが、足がつるという症状です。
糖尿病はブドウ糖の代謝が正常におこなわれないために高血糖になる疾患ですが、この高血糖による運動障害からつりやすくなります。
また高血糖が続くとつま先まで血液が行き渡らずに冷えやすくなり、血行障害が起こるのが特徴です。
糖尿病によるこむら返りの異変に気づかずに放置していると、血行障害がひどくなって切断しなければならないこともあります。
治療法として病気が軽い場合は食事療法、重い場合はインスリン注射などで血糖値をコントロールします。
糖尿病は一度なってしまうと完治することが出来ない病気なので、普段から糖尿病にならないように気を付けることも重要です。
椎間板ヘルニアでも足がつる
腰痛のイメージが強い椎間板ヘルニアですが、これは腰の骨同士の接触面のクッションがうまく作用しなくなる疾患です。
腰の骨付近にある神経が圧迫されると、運動障害がおこってふくらはぎがつりやすくなることがあります。
椎間板ヘルニアは放っておけるような痛さではなく動けないほどの激痛なので、すぐに病院に行くようにしましょう。
腫れがひどい場合には手術をして、回復を目指します。
立ったままで下に落ちているものを取ることができなくてふくらはぎも痙攣する状態のときは、痛みがひどくなる前に医師の診察を受けることが大切です。
脊柱管狭窄症によって足がつる
脊柱管狭窄症とは脊柱の神経の通り道が狭くなってしまい、神経伝達がうまくいかなくなる疾患です。
筋肉の収縮や動きを伝える役割のある神経がうまく通れないので、動かそうにもふくらはぎがつるという状態になります。
脊柱管狭窄症が進行すると歩行困難となり、場合によっては後遺症が残るリスクもあるのです。
そのため下半身の筋力が低下したと感じていたり、腰に痛みが出たりした場合は早めに病院でレントゲンやMRIなどの検査を受けましょう。
早期発見して早期治療ができれば、後遺症のリスクも引き下げることができます。
脳梗塞の兆候でも足がつる
脳梗塞は発見が遅れると命に関わりますが、実は足がつる症状は脳梗塞の病気の兆候である場合があります。
脳梗塞は血管系の病気をもっている人や喫煙者など、血管が狭くなって血液が通りにくくなっている人に多く見られるのです。
普段は単なる水分不足だと信じて、病院を受診する人は少ないと思います。
しかし脳梗塞だった場合、治療が遅れると重大な脳の後遺症を残すこともあるのです。
もし脳梗塞になるリスクが高い人が定期的に足がつるという場合は、一度病院で診てもらったほうが良いかもしれません。
足がつる病気以外の原因とは?
ふくらはぎがつるのは必ずしも体調不良のせいというわけではなく、それ以外にも様々な原因があります。
特別なことではなく、日常生活の過ごし方によっては簡単に症状が出てしまうのです。
では具体的にどのような原因が考えられるのか、みていきましょう。
電解質のバランスが取れない
体内の電解質はナトリウムやカリウム、カルシウムやマグネシウムなどがうまくバランスをとって成立しています。
これらはスポーツドリンクに含まれる成分で、普段きちんと水分や栄養をとっていれば問題はありません。
しかし水分や栄養失調に陥ると、電解質のバランスが崩れやすくなってしまうのです。
電解質は筋肉を収縮させたり神経を伝達させるなど、下半身の動きに密接な関わりがあります。
動かそうにもうまく神経の伝達がいかず、つってしまうのですね。
毎日きちんと食事をとって、水分を適度に補給しながら予防していきましょう。
水分が足りず脱水症状になる
水分不足はあらゆる体調不良の原因となりますが、脱水による症状のひとつとして起こりやすくなることが挙げられます。
ミネラルがバランスを崩すことも一因で筋肉の収縮がうまくおこなえなくて痙攣が起こるのです。
また神経伝達に支障をきたすことで、余計につりやすくなります。
水分は喉が渇いていなくても意識してこまめにとるようにして、脱水にならないようにしましょう。
血液の流れが悪くなっている
女性に多い症状ですが、血行が悪いと血管内で血液が詰まって腫瘤になってしまう「下肢静脈瘤」が起こりやすくなります。
特に女性は体が冷えやすく、さらに妊娠中になると下半身の血流が悪くなりやすいのです。
妊娠を機に、下肢静脈瘤になったという人も少なくありません。
詳しい原因は不明ですが、下肢静脈瘤ができるとふくらはぎが痙攣を起こすことが増えるようです。
その原因の大元なのが電解質のバランスが崩れることで、筋肉の収縮が異常になって起こるといわれています。
足がつるのは病気治療の薬によるものかも?
今現在、治療中で薬を飲んでいるという人も多いですよね。
実は一部の治療薬によって、こむら返りという副作用が出やすくなる場合があるのです。
高血圧や甲状腺、糖尿病や高脂血症の薬には利尿作用があり、水分がうしなわれやすくなります。
それと同時に電解質のバランスも崩してしまうことがあるので、つりやすくなるのですね。
また低用量ピルなどのホルモン剤も、血液の流れが悪くなりやすいので気をつけてください。
ただし、薬のせいだと思って自分の判断で薬を中止するのはやめましょう。
もし薬を服用中で副作用かな?と思ったら、医師や薬剤師に相談してみると良いでしょう。
まとめ
足がよくつるのはどのような病気が隠されているのか、原因や治療方法などをご紹介してきました。
日常生活の中でも栄養失調で電解質のバランスが崩れたり脱水だったり、冷えなどによる血行不良でつりやすくなります。
痙攣を予防するには水分を多めに取ったり冷えを予防して、血行を促進することが効果的です。
しかし時には体に重大な問題が起こっている可能性もあり、糖尿病や脳梗塞などが挙げられます。
ほんの些細な症状が重大な病気の兆候となっていることがあるので、放っておくのではなく早めに病院で医師の診察を受けて原因を究明してもらうことが重要です。
不快な症状だからこそ、普段からあまり起こらないように対策をしておきたいですね。