足の角質が硬くなったことが原因で、良く見てみると中心に芯ができて痛むのが魚の目です。
足の裏にいつの間にか出来ていたという経験はないでしょうか?
医学的な名称は「鶏眼」といい、芯が鶏の眼のように見えることから名付けられました。
症状がひどくなると痛みが強くなることもあるのが特徴ですが、市販薬を含めて治療はどのような方法があるのでしょうか。
また痛みが出ないようにするための予防法についても、気になるところです。
そこで今回は魚の目は市販薬で治るのか、治療法や予防法について詳しくご紹介します。
魚の目の治療と同時におこなう予防法とは?
魚の目ができてしまって治療を進めていくにあたり、ぜひ同時におこないたい予防法があります。
痛いのを軽減する効果も期待でき、さらに角質が硬くなるのを防いでくれるのです。
では日頃から意識したい予防法について、2種類見ていきましょう。
靴のサイズや形を見直す
靴のサイズが小さ過ぎることで、足の一部を強く刺激して魚の目ができるケースが多くなっています。
自分にぴったりな靴を探すのはなかなか難しいですが、自身で「足がきつい」と感じることはあると思います。
小指や親指だけ歩くたびに靴に当たって痛むなどの自覚症状があれば、必ず靴のサイズを見直しましょう。
またサイズがちょうど良くてもつま先が尖っていたり、ヒールが高い靴はリスクが高くなります。
靴を選ぶときはサイズだけではなく、形にも気を配る必要があるでしょう。
正しい歩き方をおこなう
歩き方がおかしい、靴の底が変な風に減っているなどの自覚がある人も多いでしょう。
日頃から正しい歩き方をすることで、足にかかる負担や圧迫による刺激を減らして魚の目を予防できます。
モデルみたいな歩き方をしなくても、誰かに自分の歩いている姿を見てもらうだけでも大丈夫です。
少し傾いているとか、まっすぐ歩けていないなどは素人でもわかるので思いついたことを伝えてもらいましょう。
その指摘を受けて、少しずつ歩き方を直していければ良いですね。
魚の目の治療は市販薬でも大丈夫?
足の角質が硬くなって中心に芯ができて痛む場合は、市販薬で治療をしようと考える人も多いですよね。
しかし市販薬で、無事に治すことはできるのでしょうか。
結論から言えば、軽症であれば十分に治すことができます。
市販薬はドーナツ型の貼り薬で、サリチル酸という角質を柔らかくする成分の入ったものです。
貼り続けることで硬くなった角質を柔らかくして、症状を和らげることができます。
サリチル酸が魚の目と正常な皮膚をつないでいる「デスモグレイン」を溶かしていくのです。
数日貼り薬を続けると、デスモグレインが完全に溶けて角質が硬くなった芯の部分が剥離されます。
剥離された箇所は傷が治るまで、清潔な状態にして保護しておきましょう。
芯の部分が薬剤で覆われるようにして、正確に貼り付けるのが重要です。
早めの段階で市販薬を使うと、症状が悪化せずに簡単な治療で済む場合があります。
魚の目のセルフケア治療における注意点
角質が硬くなった部分に対してセルフケアをおこなう人は多いですが、間違った治療法をしてしまうとより悪化してしまうことがあります。
市販薬で角質を柔らかくしておくのは良いことなのですが、芯が自然に取れる前に無理やり剥離させてしまう人がいるのです。
もちろん芯の部分を除去することで、痛みの元凶を取り除けたことになります。
しかし自己流でカミソリなどを使って患部を切り取った場合は、衛生状態により細菌感染を起こすことがあるのです。
化膿してしまうと結局は病院のお世話にならなければいけないので、自分で不用意に皮膚を傷つけるのは避けましょう。
市販薬を使う際は、芯が剥離されるまで根気よく貼り続けてください。
もしセルフケアをしてから痛みがひどくなった場合は、早めに皮膚科医の診察を受けましょう。
魚の目を病院で治療する際の4種類の方法
魚の目がひどくなってしまうと、市販薬でも治りきらず病院で治療することになります。
悪化した場合にはどのような方法で治していくのか、病院でおこなわれる4種類の治療法を見ていきましょう。
角質を軟化後に削り取る
市販薬での治療と近しいものがありますが、病院では角質を柔らかくしてから芯の部分を切除します。
病院での処置であれば消毒もしっかりおこなってくれるので、化膿する可能性も低いでしょう。
この方法はまだ軽い状態にのみ適用されるので、症状が重い場合にはほかの治療法が試されます。
炭酸ガスレーザーを照射する
魚の目には、炭酸ガスレーザーを照射して治療する方法をとる病院も多いです。
レーザーは痛みを感じるので、麻酔を打ってから開始します。
芯の根深さに合わせて麻酔が調節されて、少しずつレーザーを照射していきます。
レーザーはメスで切り取るのとは違って、出血を抑えることができるんですね。
さらに再発も防げて、傷跡も綺麗に仕上がりやすいのが特徴です。
液体窒素を使って壊死させる
イボなどにも適用される方法で、マイナス196度の液体窒素を綿棒につけて患部に押し当てることで凍らせて皮膚を壊死させます。
この凍結療法によって芯を取り除き、痛みの元を取っていくのです。
凍結療法といっても凍傷という火傷状態にして、かさぶたとともに芯を落とすのですね。
液体窒素による治療は痛みが出やすいのと水ぶくれができることがあります。
また液体窒素を当てた場所は、日焼けをしやすく色素沈着しやすいのが特徴です。
かさぶたができた場所との皮膚の色の差が出てきてしまうことがあるのですね。
足の部分なので靴を履けば紫外線対策は問題ないと思いますが、夏などはサンダル等は履かないように注意しましょう。
液体窒素を使う治療は一度だけではなかなか治らないことが多いので、一般的に1〜2週間おきに繰り返すと良いといわれています。
手術で患部を切り取る
痛みがひどいなど重症になると、外科手術によって切り取る方法が適用になります。
麻酔を使ってメスで切り取りますが、最近ではあまりメスで切り取る方法を選ぶ病院は少なくなりました。
切り取るとなると、やはり細菌感染のリスクが少なからず増えるということになります。
メスで切り取るよりもレーザーの方が副作用や負担が少ないため、推奨されているのですね。
手術は日帰りでできて、30分もかからない簡単なものです。
そのため魚の目で手術とはいっても、大掛かりなものではないので安心してくださいね。
まとめ
魚の目は市販薬で治るのか、治療法や予防法について詳しくご紹介してきました。
日頃から意識したい予防法は靴のサイズや形を見直すこと、そして歩き方を正すことです。
軽い症状であれば市販薬でも治療可能で、自然と芯の部分が取れて改善されていきます。
ただセルフケアで治そうとすると、無理に角質を切り取るなどして細菌感染を引き起こすケースが増えているのです。
衛生管理に注意しながら、無理におこなわないようにしてくださいね。
病院では角質を柔らかくして切除したり炭酸ガスレーザーを使ったり、液体窒素による凍結療法や外科手術をおこないます。
最近では手術で取るよりもレーザーや液体窒素を使う方がメジャーで、体への負担も少ないといわれているのです。
治療は痛みを伴うものが多いですが、歩いている時の激痛に比べたら改善されてマシという声が多いですね。
ぜひひどくなる前に診療を受けたり治療を始めて、負担が少なく済むようにしましょう。